第20回日本中性子捕捉療法学会学術大会

ご挨拶

大会長 二瓶 圭二
大阪医科薬科大学 放射線腫瘍学教室 教授
同 関西BNCT共同医療センター センター長

この度、第20回日本中性子捕捉療法学会学術大会の大会長を拝命いたしました大阪医科薬科大学の二瓶圭二です。今大会は、大阪府高槻市にある本学看護学部講堂にて開催いたします。本学は加速器BNCT (Boron Neutron Capture Therapy) を実施する国内唯一のアカデミアであり、その臨床、研究、教育の中心となるべく全学を挙げてBNCTを推進しております。今回、皆さまを本学にお迎えできることはこの上ない喜びです。

日本中性子捕捉療法学会(JSNCT: Japanese Society of Neutron Capture Therapy)は、日本中性子捕捉療法研究会として発足し、2003年に第1回学術集会が開催されました。2006年に日本中性子捕捉療法学会と改名され、以降毎年学術集会を開催してきました。さらに、本年1月には一般社団法人となり、今回は法人化後の最初の学術大会となります。

今大会のテーマは「Integration of Research for Patients」といたしました。中性子捕捉療法 (NCT) は、医学、物理学、生物学、化学、薬学、工学など多岐にわたる分野の叡智を結集した学際的な領域です。各分野における先人の献身により、BPA (Boronophenylalanine) の開発、熱外中性子の利用、加速器の開発など、いくつかのブレイク・スルーを経て、BNCTは2020年に保険医療となりました。一方で、保険診療の開始から4年が経過し、さらなる適応腫瘍の拡大、中性子利用効率の改善、照射方法の多様化、ホウ素濃度と腫瘍線量の解明、新規薬剤開発など、多くの課題が浮き彫りになる等、BNCTは最先端でありながらまだまだ発展途上の医療です。患者に提供可能な保険診療となった今、NCTに関する全ての研究者が「for Patients」という原点に立ち返り、同じ方向に向かって議論を深めることにより、それぞれの研究成果を発展的に統合することが希求されています。今回のテーマにはそのような思いを込めました。

今大会のプログラムでは分野毎にシンポジウムを準備しておりますが、各シンポジウムにおいて「for Patients」を念頭においたご発表をお願いするとともに、他分野の研究者からの活発な質疑を期待しております。本学会の伝統である一堂に会した学際的な議論によって、「Integration of Research」を図りたいと考えております。また、法人化初年度の大会として井垣浩理事長に本学会の将来展望についてご講演をいただきます。初日の夕方には、関西BNCT共同医療センターの見学会と懇親会を予定しております。本学のある大阪府高槻市は、大阪と京都の間に位置する交通の便の良い場所です。高槻城址、古墳・遺跡など歴史を体感できる名所が多く、また本年秋には西の将棋の拠点である関西将棋会館が大阪市から高槻市に移転予定となっており、歴史と将棋のまちとして発展を続けています。大会後の翌日には、高槻城公園文化芸術劇場に場所を変えて、市民公開講座を開催いたします。

関係者一同、多くの皆さまのご参加をお待ちしております。活発なご議論と意見交換が行われ、本大会がNCTのさらなる飛躍となることを願っております。

学会事務局
実行委員長 粟飯原 輝人
大阪医科薬科大学
関西BNCT共同医療センター
〒569-8686
大阪府高槻市大学町2番7号
TEL:072-684-7121
FAX:072-684-5730
運営事務局
株式会社
SKアペックスプラン内
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